ポジショニングクッションは、利用者が快適に生活するために欠かせないアイテムです。

しかし、さまざまなクッションや素材があり、どれを選んだらいいのか分からない人は多いです。

この記事では、ポジショニングクッションのメリットや、素材・形状などについて解説します。

どのようなポジショニングクッションがあるのか把握できるので、ぜひ最後までご覧ください。

ポジショニングクッションとは

ポジショニングクッションとは、寝たきり状態の人など自分で体位変換するのが難しい方が、快適な姿勢を保つのをサポートするためのクッションです。

人間は長時間同じ姿勢で固定されると、床ずれや関節のこわばりなど、身体にさまざまな悪影響があります。

ポジショニングクッションを使うことにより、身体をリラックスした体勢に保てるため、介護の現場で広く利用されています。

ポジショニングクッションの効果

ポジショニングクッションを利用すると、じょくそう防止や関節拘縮の抑制など多くのメリットがあります。

ここでは、ポジショニングクッションの効果を解説します。

じょくそう(床ずれ)防止

長時間、ベッドの上で横になっていると、腰やお尻・かかとなどに圧力がかかり痛みが出てきます。

痛みを感じるのは、体重により圧力がかかっているためです。

身体の同じ部分に圧力がかかり続けると、皮膚がダメージを受けて、じょくそう(床ずれ)が発生します。

じょくそうを防止するには、ポジショニングクッションを使い体勢を変えることが有効です。

首元や脚の下にポジショニングクッションを置いて、耐圧分散すればじょくそう予防になります。

関節拘縮の抑制

関節拘縮とは、腕や脚などの関節を動かす時間が短くなり、関節が固まってしまう現象です。

関節拘縮は、筋肉や靭帯の硬化も引き起こし、日常の動作もしづらくなるのが特徴です。

関節が動きやすい体勢になるようにポジショニングクッションを配置すれば、関節拘縮を抑制できます。

筋肉の緊張の緩和

身体の圧力がかかっている部分は、身体を支えるために筋肉が緊張します。

筋肉の緊張は、常に身体が緊張を感じている状態です。

ポジショニングクッションを利用して圧力を分散させることで、筋肉の緊張が緩和されリラックスした状態になります。

呼吸や摂食の改善

不安定な姿勢で筋肉が緊張した状態が続くと、肺が圧迫され呼吸にも影響します。

ポジショニングにより肺にかかる重力を変化させると、多くの空気を取り込めます。

また、食事の際に筋肉が緊張した状態になると、咀嚼や嚥下がスムーズにおこなえません。

車いすを使用している場合は、背中に硬めのクッションを入れて体勢を安定させます。

ベッドに寝ている場合は、ベッドの背上げ機能や足上げ機能を活用したうえで、背中や腰・足裏などにクッションを置いて安定させてください。

ポジショニングクッションの材料

ポジショニングクッションには、ウレタンフォームが使用されています。

ウレタンフォームとは、ポリウレタン樹脂を発泡させて作られたスポンジです。さまざまな軟らかさ(硬さ)があり、使用目的に合わせた材料を選べます。

また、静電気を防止する帯電防止機能や、衛生的な抗菌機能・洗える脱膜品などもあります。

三角形や円柱などお好みの形に加工できるため、さまざまな現場で使用できるのも特徴です。

ウレタンフォームについては、以下の記事で詳しく解説しています。

ポジショニングクッションの種類

ポジショニングクッションには、抱き枕型や三角形などさまざまな形状があります。

ここでは、ポジショニングクッションの種類を紹介します。

抱き枕型

抱き枕型の細長いポジショニングクッションです。

側臥位のときに背中に敷く、伏臥位のときに身体の前で抱え込むなどの使い方があります。

ウレタンアシストでは、厚さや縦・横のサイズを自由に指定していただき、オーダーメードでの製作が可能です。

三角形

三角形のポジショニングクッションは、体勢をななめに保てるため、側臥位に使用できます。

角度を調整して、利用者の体型や寝るときのクセに合せたクッションの作成も可能です。

スクエア

四角形のポジショニングクッションは、活用の幅が広い形状です。側臥位で腕の間に挟んだり、仰向けの状態で膝の下に敷いたりできます。

薄く作成すれば、頭や腰の間に設置して、耐圧分散することもできます。

まとめ

ポジショニングクッションとは、寝たきりなど自分で体位変換するのが難しい方が、快適な姿勢を保つのをサポートするためのクッションです。

ポジショニングクッションを上手に活用すると、じょくそう防止や関節拘縮の抑制・筋肉の緊張緩和など多くのメリットがあります。

ポジショニングクッションには、さまざまな軟らかさや形状があるため、利用者の体型や寝るときのクセに合せて選ぶことが大切です。

いろいろなポジショニングクッションを試して、利用者にとってリラックスできる環境を目指してください。