ゴムスポンジは、衝撃吸収や耐薬品性などに優れていて、多くの介護・医療の現場で使用されています。

しかし、ゴムスポンジにはさまざまな種類があり、どれを選んだらいいか分からない人が多いです。

この記事では、ゴムスポンジとは何か、失敗しない選び方を解説します。

介護・医療の現場で使用されるゴムスポンジとは

ゴムスポンジとは、原料となるゴムに発泡剤などの材料を混ぜて、スポンジ状にしたものです。

ゴムスポンジには、以下のような特徴があります。

  • 摩擦に強く耐久性が高い
  • 振動を吸収する
  • 温度変化に強い
  • 紫外線や化学薬品に対する耐性が高い

上記のようにゴムスポンジは、さまざまなメリットがあります。

自動車のドアやシート・住宅の防音材・電子機器の衝撃吸収材など、多くの場所で使用されている優れた素材です。

介護・医療業界で使用されるゴムスポンジの種類

ゴムスポンジには、NR系・CR系・EPDM系などがあります。

ここでは、介護・医療業界で使用されるゴムスポンジの種類を解説します。

NR系(天然ゴム)

NR系は、材料に天然ゴムを使用したゴムスポンジです。

NR系は、弾性が高く、耐摩擦性や耐寒性もあります。ゴムスポンジの中では比較的安価で、クッション材や大型タイヤなどに使用されています。

CR系(クロロプレンゴム)

Cr系は、クロロプレンゴムが主成分となっているゴムスポンジです。

耐油性や耐熱性に優れていて、工場の製造現場で使用されています。

また、難燃性も高く、ドアのパッキン材や住宅パネルの目地材としても使われています。

EPDM系(エチレンプロピンゴム)

EPDM系は、エチレンプロピンゴムを主成分としたゴムスポンジです。

耐熱性や耐候性に優れていて、屋外での使用に向いています。その他にも、耐化学薬品性や電気絶縁性があります。

ただし、耐油性はそれほど高くないため、油がかかる環境での使用には向いていません。

ゴムスポンジの選び方

ゴムスポンジは、硬度と気泡の種類により、使用用途は大きく異なります。

ここでは、ゴムスポンジの選び方について解説します。

ゴムスポンジの種類で選ぶ

ゴムスポンジには、NR系やCR系・EPDM系などの種類があります。

それぞれに耐性や価格などの特徴があるため、使用用途に適した種類を選びましょう。種類を選ぶ際の目安は以下の通りです。

  • 緩衝材やクッション:安価で種類が豊富なNR系(天然ゴム)
  • 油や薬品がかかる環境での使用:CR系(クロロプレンゴム)
  • 日光や雨風が当たる環境での使用:EPDM系(エチレンプロピンゴム)

最初にゴムスポンジの種類を決めてしまえば、後はサイズと軟らかさが分かれば選定できます。

使用環境に適さない種類を使用すると、すぐに劣化して頻繁に交換が必要になるため注意してください。

独立気泡と連続気泡

ゴムスポンジには、独立気泡と連続気泡があります。

独立気泡とは、ゴムを発泡させた際に出る泡が、他の気泡と繋がっていない構造のことです。フォーム内部に含まれている空気が外に逃げないため、断熱性が高くなります。

また、潰れても元の形状に戻りやすく、復元性があります。また、内部に水が入りにくいため、防水性が高いことも特徴です。

独立気泡 構造

連続気泡は、ゴムを発泡させた際に出る泡が、他の気泡と繋がっている構造です。

潰れやすいため、ソファのクッションや乗用車のシートなどに使用されています。また、緩衝材としても使用されます。

連続気泡 構造

介護・医療の現場で使用されているゴムスポンジの具体例

ゴムスポンジは整形靴の足底板や車いすのクッションに使用されています。

ここでは、介護・医療現場で使用されるゴムスポンジの具体例を紹介します。

整形靴の足底板

足底板(インソール)とは、整形靴や術後用ブーツなどに使用されるクッションのことです。

ゴムスポンジを使用すると、歩く際の振動を軽減できます。また、ゴムスポンジの厚さを変えれば、左右の高さを調整可能です。

車いすのクッション

車いすは長時間乗るため、振動を抑えることが大切です。

衝撃吸収力の高いゴムスポンジを使用すれば、利用者が感じる振動を軽減して、疲れにくい乗り心地を実現できます。

ゴムスポンジのみだと乗り心地はあまり良くないため、ウレタンとの2層や3層にすることが多いです。

車いすのクッションについては、以下のページで詳しく解説しているため、併せてごらんください。

まとめ

ゴムスポンジとは、原料となるゴムに発泡剤などの材料を混ぜて、スポンジ状にしたものです。

摩擦に対する耐性が強く・振動を吸収するなど、多くの特徴があります。

ゴムスポンジには、安価で多くの種類があるNR系や油や薬品に強いCR系・屋外でも劣化が少ないEPDM系などがあります。

ゴムスポンジは、整形靴の足底板や車いすのクッションなど多くの介護・医療の現場で使用されています。

種類や気泡の構造など、用途に合わせて最適なゴムスポンジを選んでください。

弊社では、さまざまな種類のゴムスポンジを取り扱っています。どれを選んだらいいか分からない場合は、お気軽にお問い合わせください。