車椅子での移動や座りっぱなしの生活において、床ずれや「底付き」による痛みは大きな悩みです。

この記事では、底付きを防ぐためのおすすめ素材や、床ずれ予防に効果的なクッションの選び方を分かりやすく解説します。

この記事はスポンジ加工メーカーとして、60年以上の歴史がある富士ゴム産業が執筆しています。
監修:技術責任者 牧野

車椅子クッションの「底付き」が引き起こす2つの大問題

局所的な圧迫による床ずれ

お尻の骨が座面に直接当たると、血の流れが悪くなります。

これが原因で、短い時間でも「床ずれ(褥瘡)」ができてしまいます。

特にお尻の骨が出っ張っている部分は、体重が集中して床ずれが起きやすいため注意が必要です。

姿勢の崩れによる腰痛や疲労

クッションが潰れると、座る姿勢が不安定になります。

お尻が前にズレて骨盤が後ろに倒れ、背中が丸まった「ずっこけ座り」になってしまいます。

この姿勢は腰や背中に大きな負担をかけ、強い痛みや疲れの原因になります。

なぜ底付きする?車椅子クッションが潰れてしまう主な原因

柔らかすぎるウレタンを使用している

座り心地が柔らかいクッションは、気持ちよく感じられます。

しかし、柔らかすぎるウレタンはお尻の重さを支えきれません。

座った瞬間にペシャンコに潰れてしまい、底付きの原因になってしまいます。

経年劣化によるウレタンのヘタリと寿命

ウレタンは、使っているうちに少しずつ傷んでいきます。

お尻の形に凹んだまま戻らなくなったり、反発力が弱くなったりします。

これが「ヘタリ」と呼ばれる劣化で、クッションの寿命のサインです。

クッションの厚みそのものが不足している

どれだけ良い素材を使っていても、薄すぎるクッションは底付きします。

お尻の骨が沈み込むための十分な「すき間」が足りないからです。

また、厚みを変えるときは、足が浮かないように車椅子の調整も必要です。

【底付き防止】車椅子クッションを選ぶ際の3つのチェックポイント

体重を分散させる素材の組み合わせ

底付きを防ぐには、お尻にフィットする柔らかさと、姿勢を支える硬さの両方が必要です。

単一のウレタンではなく、役割の違う素材を組み合わせたものを選びましょう。

お尻にかかる圧力を上手に逃がすことができます。

底付きを物理的に防ぐ十分な厚み

底付きを確実に防ぐためには、ある程度の厚みが必要です。

具体的には、5センチから8センチほどの厚みがあるクッションを選びましょう。

ただし、厚みがある分だけ車椅子の足台の高さも合わせて調整してください。

長時間の使用でもヘタらない高い密度

ウレタンの耐久性は「密度(D)」という数値で表されます。

毎日長い時間座る場合は、密度が「30D以上」のヘタりにくいものを選びましょう。

目の詰まった高密度なウレタンなら、長持ちして底付きを防ぎ続けます。

プロがおすすめする「底付き防止」に最適なクッションの構造

柔らかさと支持性を両立する2層構造

プロがおすすめするのは、硬さの違うウレタンを重ねた「2層構造」です。

お尻が痛くならない柔らかさと、しっかり支える硬さを同時に実現できます。

姿勢が崩れにくく、長時間の使用でも疲れにくいのが特徴です。

お尻の形にフィットして圧力を分散する上層

2層構造の「上の層」には、お尻の形に合わせて沈み込む柔らかい素材を使います。

お尻の骨にかかる圧力を全体に分散させ、床ずれを防ぎます。

特にお尻の痛みが気になる部分を優しく包み込みます。

体重をしっかり支えて底付きをブロックする下層

2層構造の「下の層」には、体重をしっかり支える硬いウレタンを使います。

上の層が沈み込んでも、下の層がお尻の骨が底に当たるのを防ぎます。

平らで安定した土台を作るため、座る姿勢もまっすぐ保てます。

車いす用のクッションについて別記事でまとめていますので併せてごらんください。

お使いの車椅子に合わせた「クッションのオーダーメイド」

市販品ではサイズや厚みが足りない方へ

体型や車椅子の大きさは、人によってバラバラです。

市販のクッションでは、サイズが小さすぎたり大きすぎたりすることがあります。

サイズが合わないと姿勢が崩れ、部分的に強い圧力がかかってしまいます。

体型や体重に合わせた硬さと厚みのオーダー対応

体重が重い方や、骨が出っ張っている方にはオーダーメイドがおすすめです。

お使いになる方の体重や座る時間に合わせて、最適な硬さと厚さで作成できます。

あなたのお尻にぴったり合う、底付きしないクッションが手に入ります。

失敗しないためのサイズ計測と注文の流れ

オーダーメイドを作る際は、お尻の幅や膝裏までの長さを正しく測ります。

車椅子のシートのサイズも確認し、ぴったり収まるように設計します。

できればリハビリの専門家(PTやOT)に相談しながら測ると安心です。

まとめ:底付きを防止するクッション選びで、快適で安全な車椅子生活を

車椅子での床ずれや体の痛みを防ぐには、底付き対策が何より大切です。

クッションがペシャンコに潰れると、お尻に強い圧力がかかり、床ずれの原因になります。

また、姿勢が崩れて腰痛を引き起こすこともあります。

これらを防ぐために、柔らかい上層と硬い下層を組み合わせた「2層構造」のクッションを選びましょう。

市販品でサイズが合わない場合は、体型に合わせたオーダーメイドも有効な解決策です。

ウレタンアシストでは、ご指定のサイズと厚さで車いす用のクッションを製作できます。

希望のサイズがなくて悩んでいる人は、お気軽にお問合せください。